過失割合・過失相殺に納得できない!

交通事故では、ほとんどの事例で「被害者と加害者の過失割合は、何対何なのか」という議論をすることになります。

交通事故の中には、過失割合が、法律の知識がない一般の方での判断できる明白な事例(例えば、赤信号で停止中の車両が、後方から追突された事例など)もあれば、そうでない事例もあり、さらには裁判所での判断も、裁判官によって異なる事例まであります。

 

ここで重要なことは、過失割合というのは、赤信号待ちをして停止中に追突された事例などの誰にでも常識的に過失割合がわかる事例以外は、一般の方では真偽の判断をすることが困難な法律問題だということです。
いざ真剣に検討を始めると、弁護士でも見解がわかれるケースや、裁判所でも一審と二審で過失の認定が異なるケースは、決して珍しくありません。

 

 

一つ事例を挙げます。
歩行者が車道を横切ったところ、自動車にはねられた事例において、加害者側の保険会社から「横断歩道が近くにありますし、最低でも歩行者に3割の過失が認められる考えています」と言われた被害者の方の相談を受けたことがあります。

 

この歩行者の過失が3割という加害者側の保険会社の主張は、全く根拠のないものかというと、そうでもありません。

 

交通事故の過失割合は、類型化が進んでおり、確かに、横断歩道が近くにあるにもかかわらず、横断歩道以外の箇所で、車道を横切った歩行者には、3割の過失がベースになることは、事故類型ごとに過失割合を解説した「民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」においても、示されている過失見解です。

 

では、保険会社の言い分は正しいのかというと、一般論として3割の過失になる可能性は確かにありますが、歩行者が横断をした時間帯、その周囲の交通事情、道路が幹線道路であるか否か、横断歩道が近くにあるとしても、一体何m離れた地点に横断歩道があったのか、歩行者が児童や高齢者ではないかなど、個別の事情を考慮すると、歩行者の過失はもっと低くなる可能性がありました。

 

この相談事例では、結局のところ、歩行者の過失割合は、15%まで低下しました。

以上にご説明したとおり、過失割合というのは、一定の類型化が進んでおり、加害者側の保険会社や、保険代理店などの関係者の方から、「この事故なら、3対7」などと言われることがありますが、これらの過失割合は、多くの場合、個別具体的な事情を考慮していないことが多く、弁護士を選任して、示談交渉を行ったり、訴訟提起すると過失見解が大きく変わることが、実際にあります。

 

被害者の方におかれましては、過失割合というのは、一定の基準や相場はあるものの、細部まで検討すると大きく変わる可能性のある法律問題であると理解しておくべきことだと当事務所では考えています。

過失割合について、疑問がある場合は、当事務所までご相談ください。

 

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