保険会社はコロナ禍で影響を受けるのか

私の顧問先には、それなりに地域で大きな保険代理店(プロ代理店)があります。

保険代理店の方と、緊急事態宣言が出て何か影響があったか、について、先日お話をしました。

 

保険代理店や保険会社は、売上という点ではさほど影響がないと思われる、との話でまとまりました。

この見解について、少し整理をしたいと思います。

 

ここでの保険会社は、損害保険会社を指します。

 

保険会社は、自動車保険であれば一定の割合で事故が発生することを予想して、保険料を算出しています。

 

ところが今年のGWは、交通事故が少なく、報道によれば、高速道路での死亡事故は発生しなかった、ということです。

 

例年、GWや夏休みなどの長期休暇には、小さな子供や家族連れが、交通事故で死亡すると言った、凄惨な事故が、必ずと言っていいほど起きています。

しかし、さすがに緊急事態宣言の外出自粛要請の効果で、死亡事故がなく、高速道路も渋滞がほとんどなかったとのことです。

 

 

また、緊急事態宣言が出た4月も、交通事故は相当減ったみたいで、事故減となったことはニュースでも報道されていました。

 

保険会社が、契約者に請求する自動車保険料は、契約によって決まっていますから、事故が少なくなったとしも、ただちに保険料は下がりません。

急に自動車保険を解約したりする現象にあまり想定できません。

 

保険料は変わらないのに、事故が減り保険金支払いが減るということは、保険会社にとっては、利益が出るという関係になります。

 

今年の4月5月は、少なくとも自動車保険関連にセクターについては、保険会社は保険金支払いが少なくなり、利益は出ているのではないか、と思います。

 

さらに一歩踏み込んでみます。

 

コロナ禍による緊急事態宣言により、交通事故が減り、保険金支払いが少なくなり、保険会社としては、その意味では利益が出たとしましょう。

 

緊急事態宣言によって、保険会社にとって、予想外の支出はあるのでしょうか。

 

保険会社もリモートワークを導入し、仮に何の準備もしていなかった保険会社は、急遽、投資をして、リモートワーク用の設備を整えた可能性はあります。

 

ただ、これも確固たる裏はありませんが、東日本大震災を経験していることもあって、非常事態が起きた場合を大手保険会社は想定した上で、種々の準備がしてあり、他業種に比べるとスムーズにリモートワークに移行している、との情報にも接しました。

 

 

そうすると、今回の緊急事態宣言で、緊急の大きな投資はしていないかもしれません。

 

 

さらに突っ込んで考えると、緊急事態宣言によって、出張、接待も減っているでしょうから、経費支出も減っている可能性があります。

 

 

そうすると、もしかしたらですが、損保系の保険会社は、現時点では緊急事態宣言が出されたとしても、業績にはさほど悪い影響はないかもしれません。少なくとも自動車保険のセクターはセクターは増益なのではないか、と思ってしまいます(将来、我々国民が車に乗らなくなり、自動車保険が解約されるリスクはありますが)。

 

保険会社は自動車保険以外にも販売していますので、そちらにも目を向けたいと思います。

 

所得補償保険の請求ができるのかな、と一瞬頭をよぎりましたが、通常は、怪我などで就労不能であるときに請求できる保険商品ですので、緊急事態宣言の「休業自粛要請」に従っただけでは、請求できないのではないか、と思っています(裏は取っていませんが…)。

 

そうすると、保険会社の保険料収入のセクターは少なくとも、利益は出ているような気がします。

 

もっとも、保険会社は、投資有価証券も相当数保有しているところが多く、株価は全体的に3月中旬に大きく下落しました。

 

 

仮に投資有価証券を3月に損切していた保険会社があれば、売却損が相当出ているかもしれません。こればっかりは、決算短信などを見ないとわからないですが、大手保険会社が高額な投資有価証券を売却するためのオペレーションや手順を考えれば、通常は売却はしないでしょう。これも、大量保有報告書などを変動を追っていけば、ある程度つかめるかもしれませんが、裏は取っていないことを付け加えます。

 

 

これからの保険会社の業績を見ないとわかりませんが、なんとなく損保系はさほど大きな影響を受けていないように思います。

 

なお、生保は、対面営業を禁止しているところが多いと聞きますので、新規契約取得数などは、激減でしょう。

 

コロナ禍は、全世界共通のアクシデントで、どこかの研究所が作ったとか、様々な憶測は流れていますが、私は天災だと思っています。

 

そして、世界的には、なんとか経済を再開し、withコロナに向かっており、株価も少なくとも現時点では回復基調です。これから2番底が来なければ、大手保険会社は絶好の買い場なのかもしれません。また、感染症対策の保険商品販売などの適時開示もすぐにでるような気もしています。

 

もっとも、将来は誰にもわかりません。

どこか一つでも、コロナ禍で、世界的な大手金融機関や大企業が倒産すれば、それをトリガーにして、次の金融ショックが起きることも想定されますので、やはり、大手保険会社と言えども、倒産するところが出てくる可能性が否定できないところが難しいところです。

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