第2回 弁護士コラム「主人公は誰だ?」

弁護士の齋木です。

いつまで続くかわかりませんが、弁護士コラムの2回目になります。

 

私たち弁護士の仕事の多くは、何らかの「問題解決」を依頼されるケースがほとんどです。

 

もちろん、前回の第1回目のコラムで記載したような、問題・紛争の前兆を感じて、法律相談に来られる方も多数(最近はかなり増えた)見えます。

しかしながら、私の感覚に限った話ですが、既に訴えられた、話が平行線でどうしようもない、というレベルに達して、相談に来られるお客様が多数派のように感じます。

 

さて、弁護士が相談に乗れる「問題」とは何かです。弁護士はどのような問題を取り扱うのか。

 

そんなの簡単だ、「法律問題」に決まっている!という声が聞こえてきそうです。

 

もちろん、正解です。

「法律問題」の相談にのる、解決のお手伝いをするというのが、弁護士の本業であることは間違いないです。

 

一般的な法律問題であれば、法令や過去の裁判例などをベースに、お客様から事情を聞いていく中で、ある程度の筋道、解決水準、解決のパターンなどが見えることが多いです。

 

では、どのように弁護士が解決の筋道をつけているのか、頭の使い方はどうなっているのかというと、一言では言い現わせないのですが、数学の問題を解くことに”少しだけ”似ています。(※なお、司法試験の問題を解くだけであれば、数学の問題を解くことに、”かなり似ている”と言ってもいいくらいです。)

 

数学の問題であれば、公式に数字を代入したり、数式を展開するなどして、答えを導きますよね。高校数学だと、微分だとか積分だとか、サイン・コサイン・タンジェントとか、もう私も全く解ける自信はないですが、いろいろやらされましたよね。あれです。

暗記した公式に数字を代入するだけであれば、大抵は解けるけど、応用問題になると突然難しくなる、白紙の答案が大量発生し、教室で、「赤点だ、追試確定したわ~」言って、みんなで慰め合いをしていた、あの、数学です(笑)

 

「法律問題」も法律というルール(公式)に、その人の抱える問題(数字)を当てはめ(代入)したりする点で、数学に似ている部分があるということになります。

 

ただ、数学と決定的に違う点は、法律問題には主人公がいる、脇役もいる、助っ人もいるかも、もちろん敵もいればラスボスもいる、ということです。

数学でいう「数字」という無味乾燥なものではなく、血の通った人間が主人公です。

敵も、ラスボスも、皆、人間です(会社だって、人間が動かしているので、その意味では同じです)

公式に数字を代入したり、数式を展開して数学的な解を導く数学にはない特徴です。

 

法律問題の主人公である人間は、喜怒哀楽を有し、さまざまな価値観、人生観を持っています。年齢、性別、家庭環境など、置かれた状況も皆、異なります。

 

弁護士の仕事は、人間が主人公の「法律問題」を解決する、サポートするという意味で、数学の問題を解くこととはやはり異なりますし、法律の基礎的知識の有無を問う司法試験の問題を解くこととも、異なります。

 

そうすると、法律問題の解決には、法律的な側面と、そうでない、人間的な側面からのアプローチが必要であるということになります。

2つ目の人間的な側面からアプローチには、もちろん公式もなければ、同じ人間は一人といないわけで、過去の裁判例も、「他の主人公の物語に過ぎない」とも言え、あてにできないことも多いのです(同じような悩みを抱えている人の、一つの解決の仕方という程度です)。

 

私は、ご相談者の方にとって、何に引っかかっているのか、なぜこうなってしまったのか、どこが納得できないのか、言い出せばきりがないですが、このような人間的な側面からのアプローチが、問題解決のキーポイントだと思っているほどです。

(※実際に、法律とは関係ない話をしている中で、解決の糸口が見つかったケースも決して少なくありません。)

 

法律問題の主人公は、法律でも、弁護士でも、裁判所でもなく、ご相談者の方なのです。

(※そんなの当たり前でしょ、と思われた方も多いかもしれませんが、法律の話以外は話を聞かない弁護士も中にはいたり、いなかったりして、実はそれほど当たり前ではないのです。)

 

ただ、法律問題とは、法律で解決できる側面と、人間的な側面(いわば気持ちの問題とも言うべきでしょう)が絡み合っているとしても、人間的な側面は、最終的には、ご相談者様が自ら消化してもらうしかないときも多いです(弁護士としては

少しでも、気持ちの問題の解決の一助となれればと思っています。)

 

私たちには、法律の専門性を深めることと同時に、場合によってはそれ以上に、人間的な側面からのアプローチを軽視せず、良質のリーガルサービスの提供のために、研鑽を積まなければならない、そういう職業が弁護士だと最近は思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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